
日々がんばる女性たちにとって力尽きがちな週の後半に助かる「週末ゆるっと!ずぼら腸活レシピ」。平日の食生活の偏りで乱れがちな腸内環境を美腸に導くために「潤腸食材」と「道具ひとつ」で簡単に作れるレシピを紹介。お疲れで体調を崩しやすい年度末にお送りするのは、腸が喜ぶ「アボカド」と“気”を補う食材の掛け合わせ、「トースター」で作るずぼら3品です。
■「アボカド」✕「トースター」で軽やかな体に

とろっとクリーミーな「アボカド」をトースターでこんがり焼くお料理で腸のコンディションを整えて元気に
中医学の考えに基づく薬膳料理では美腸であるために最も大切なことは、お通じがスムーズなこと。そのためには、健康な状態といわれる条件として体の中の気・血・水がバランスよく巡っていることが大切に。しかし、年度末にさしかかり、慌ただしくなる3月は疲れがたまりがちな時期で、中医学でいう“気”が不足しがち。
「“気”とは生命活動を維持するエネルギーのことで、臓器を正常に動かし体温を保ち、血や水を体に巡らせ、やる気や元気の源となるもの。また、“気”には消化して出すというデトックス作用もあります。“気”が不足すると、お通じを滞せる、疲労が抜けない、やる気が出ないといった症状が出やすくなります」と齋藤さん。
“気”は年齢とともに不足しやすくなるもの。また、疲れていてもがんばってしまう人、つい活動しすぎてしまう人、風邪ひきやすい人は、“気”を消耗してしまい“気不足”になりがち。
「お通じをスムーズにしてくれるうえに、“気”を補ってくれるのに最適な食材がアボカドです。またチーズや牛乳などの乳製品やエノキ茸も美腸には欠かせない食材。入手しやすいものばかりなので、日々の食事に取り入れるように意識することで簡単に“気”を補うことができます」(齋藤さん)
【気不足タイプはこんな人】
<特徴>
・疲れやすい
・やる気が出ない
・風邪をひきやすい
・気付くとため息が出てしまう
・すぐに息切れする
・食欲があまりわかない
・常に重だるい
<パワー不足解消食材>
・アボカド
・長イモ
・鶏肉
・鮭
■齋藤さんの腸活に役立つ潤腸食材

腸活には"潤腸食材"を積極的に摂ろう
「お通じをスムーズにしてくれる潤腸食材は油脂分の多いアボカドのほか、チーズや牛乳などの乳製品や食物繊維の多いエノキなどのキノコ類は定番の食材です。こまめに食べ続けてこそ体に変化が出るので、頭の片隅にこの食材を覚えておき、気付いたときに取り入れるようにしましょう」(齋藤さん)
ずぼら「潤腸食材」POINT
アボカドは生で食べられるので、スライスしたりマッシュしたりと調理が手軽。また、エノキ茸は炒め物やスープなどいろんな料理に合うので意識していつもの料理にプラスして。チーズは肉や魚など焼きものにトッピングやカレーやスープのちょい足しにも便利。ヨーグルトは料理に使う以外にも、小腹が空いたときや食後のデザートに取り入れてみて。
■週末ゆるっと!「アボカド」ずぼら腸活レシピ3

【金曜日:とろとろアボカドと長イモのチーズ焼き】“気”の巡りをよくしてエネルギッシュに動ける体に
「アボカドにたっぷり含まれる油脂分は美腸にしてくれると同時に長イモとともに“気”を補う補気の食材に分類され、不足しがちなパワーを補ってくれます。お通じをスムーズにするためは押し出すパワーも必要で、それを補ってくれるため美腸へと導いてくれます」(齋藤さん)
<材料・2人分>
アボカド(半分に切り種を取り除く)・・・大1個
長イモ・・・150g
醤油・・・小さじ1と1/2
マヨネーズ・・・適量
ピザ用チーズ・・・20g
<作り方>
1.アボカドはスプーンでひと口大にすくって耐熱皿に入れる。長イモは皮をむき、すりおろしてアボカドにかける
2.醤油、マヨネーズをかけたらピザ用チーズを散らす
3.トースターを230℃にセットして約8分加熱し、チーズに焼き色がつくまで焼く
ずぼらPOINT
グラタン皿にすべての材料を入れて焼くだけの簡単調理。余熱も不要で温度と加熱時間を設定するだけ。W数表示のトースターもあり、一般的には800Wが200~230℃くらいなので様子を見ながら焼こう。

【土曜日:クリーミーなアボカドとエノキ茸の豚肉巻き】潤いを与えるアボカドとエノキ茸でデトックス
「アボカドとエノキ茸は腸に潤いを与えてくれて腸の働きをスムーズにしてくれる食材です。それを後押しするのが豚肉です。中医学では豚肉は“気”を補う働きがあるため、パワーが充足して腸をデトックスするパワーになったり、疲労を軽減してくれます」(齋藤さん)
<材料・2人分>
エノキ茸・・・1/2株
アボカド(半分に切り種を取り除く)・・・大1個
豚バラ薄切り肉・・・8枚(160g)
ごま油、塩、黒コショウ・・・各適量
<作り方>
1.エノキ茸は石づきを切り落として8等分にする。アボカドは8等分のくし切りにする
2.エノキ茸(1/8量)、アボカド(1切れ)をまな板に広げた豚肉で巻く
3.トースターの天板にアルミホイルをしき、2をのせてごま油を塗り、塩・黒コショウを振り230℃で15分焼く。器に盛り、お好みでワサビ醤油(分量外)をつけて食べる
ずぼらPOINT
8等分にしたエノキ茸とアボカドは重ねてセットにしておこう。セットごと豚肉の上において巻くだけなので、作業がスピーディーに。

【日曜日:鮭のチーズパン粉焼き アボカドソース】鮭でパワーをチャージし、アボカドとチーズで美腸に
「鮭は“気”を補ってくるため、腸の働きを活発にしてくれます。同時にアボカドとチーズは腸の滑りをよくして美腸へと導いてくれる食材です。2つの働きの相乗効果でお通じをサポートしてくれて腸の働きを正常に整えてくれます」(齋藤さん)
<材料・2人分>
生鮭・・・2切れ
塩・・・ふたつまみ
オリーブオイル・・・適量
A
パン粉・・・大さじ2
粉チーズ・・・大さじ1
オリーブオイル・・・小さじ1
(アボカドソース)
アボカド(半分に切り種を取り除き細かく切る)・・・大1/2個(正味80g)
B
プレーンヨーグルト・・・大さじ2
ニンニク(すりおろし)・・・少々
塩・・・小さじ1/4
<作り方>
1.鮭は塩少々をふって10分おき、出てきた水けをペーパータオルで抑える。鮭の両面にオリーブオイルを塗る
2.トースターの天板の上にアルミホイルをしき、鮭の皮面を下にして混ぜたAをのせ、手で軽く抑える。210℃で7~8分焼き、皿に盛る
3.アボカドソースを作る。アボカドをボウルに入れてフォークでつぶし、Bを加えて混ぜる。2にかけお好みでベビーリーフ、ミニトマトを添える
ずぼらPOINT
アボカドは加熱不要なので、フォークでつぶして調味料などを混ぜれば簡単だけど濃厚でリッチなソースができあがる。
■腸活レシピを教えてくれた人
PROFILE/齋藤菜々子さん
料理家・国際中医薬膳師。大学卒業後一般企業に就職。忙しい日々の中で食事が心身の充実につながることを実感し、料理の道を志す。日本中医食養学会・日本中医学院にて中医学を学び、国際中医薬膳師を取得。「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、家庭で毎日実践できる薬膳を提案。著書には『毎日続けたい潤いスープ』(文化出版局)ほか
【ヘルスケア特集】

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PHOTO/MANABU SANO WRITING/MIE MINEZAWA