年齢に応じて生理はどう変化する?知っておきたい変化のタイミングとセルフケア法
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年齢に応じて生理はどう変化する?知っておきたい変化のタイミングとセルフケア法

更新日:2021/09/29

女性が生理とつき合う年数は35~40年。この長い年月の間に、生理の状態も変化していくだろうけど、そうした変化にどう対処していけばいいの? ニホンドウ漢方ブティック薬日本堂 青山店の薬剤師・漢方相談員、岸直美さんに、年代ごとの生理の変化とおすすめのセルフケアについて教えてもらおう。

生理の状態は7の倍数の年齢が変化の節目に

生理の状態は7の倍数の年齢が変化の節目に

東洋医学では、女性の体は14歳、21歳、28歳、35歳、42歳、49歳・・・と、7の倍数の年齢ごとに変化していくと考えられている。そして生理についても、この年齢に応じて変化が見られるのだそう。

「個人差はありますが、一般的には21歳頃までに女性としての体ができ上がり、生理の状態が安定していきます。28歳頃になると子宮や卵巣が成熟期を迎え、最も妊娠しやすい状態に。35歳頃になると、女性としてのターニングポイントを迎え、生理周期が短くなる、経血量が少なくなるといった変化が見られる人も。42歳頃になると生理周期が乱れやすくなり、49歳頃になると生理回数が徐々に減って閉経期となります」(岸さん)

年代にともなう生理の変化は、自然な現象であり、過剰に心配する必要はないのだそう。ただし、一般的な年代よりも早い段階で生理に変化が起こったり不調が気になったりする場合は、食事、睡眠、運動などの生活習慣を見直すサインと考えて。

20代女性に多く見られる、無理なダイエットによる子宮や卵巣の栄養不足

20代女性に多く見られる、無理なダイエットによる子宮や卵巣の栄養不足

21~28歳は本来、最も生理の状態が安定する年代。ところが実際は、多くの20代女性が生理トラブルに悩んでいるのが実情だとか。いったいなぜ?

「この年代の女性の場合、仕事やプライベートでのストレスに加え、食生活の乱れなどが原因で生理トラブルを引き起こしているケースが多く見られます。特に、本来取るべき糖質までも極端にカットする、野菜しか食べないといった無理な食事制限によるダイエットで子宮や卵巣に十分な栄養が行き渡っていない女性が多く、放っておくと生理不順や生理痛、不妊などにもつながることがあります。栄養バランスのいい食生活を送ることが、この年代のセルフケアとして最も重要です」(岸さん)

そのあとの年代である28~35歳は、体内で血(けつ≒血液)を作り出す力が低下しはじめるため、生理によって血が不足しやすくなるのだそう。血の不足は生理トラブルを招くほか、肌や髪の乾燥や不眠などの原因にもなるとか。そのため、“血の消耗を防ぐこと”と“血を補う食材をよく取ること”が、セルフケアのポイントに。

「夜ふかしや目の酷使は、血を消耗して血の不足を招きます。夜11時以降はベッドに入る、長時間スマホやPCを見続けないといった生活習慣の改善が、生理の安定にもつながるでしょう。あわせて血を補うナツメやクコの実、ニンジンなどの赤い食材や、子宮や卵巣の老化を抑える黒豆、黒米、黒ごまなどの黒い食材、エビ、サケ、海藻類などの海産物をよく食べることもおすすめです」(岸さん)

35~42歳は精神面のケア、42~49歳は子宮や卵巣のエイジングケアが大切

35~42歳は精神面のケア、42~49歳は子宮や卵巣のエイジングケアが大切

35~42歳になると、生理周期が短くなる、経血の量が少なくなるなどの変化が見られることが。さらにこの年代に多くなるのが、生理の変化にともなうイライラや気分の落ち込みといった精神的な不調なのだと、岸さん。そのためこの年代では、精神面を安定させるセルフケアを重視して。

「手の指の先端には『十宣(じゅっせん)』と呼ばれるツボがあり、ここを押さえると自律神経が整ってイライラを抑えやすくなります。10本の指それぞれのツボを、1箇所ずつほかの指でグッと押してください」(岸さん)

42~49歳の年代では、生理周期が24日以内になる「頻発月経」や、生理日数が短くなる、経血の量が減ったり極端に増えたりして生理不順になるといった変化が現れるように。子宮や卵巣のエイジングケアに力を入れたいタイミングなので、先に紹介した黒い食材やエビ、サケ、海藻類などをより積極的に取るほか、「腎兪(じんゆ)」のツボ押しもおすすめ。

腎兪はウエストの高さにある背骨の中心から指2本分外側にあるツボで、腰から下を温めて子宮や卵巣の働きを助け、婦人科系の不調をやわらげてくれる。両手を腰に当て、左右のツボを親指で10秒間押しもみ、これを10回繰り返して。


こうした生理の変化を理解しておくと、年齢にともなう心身の変化とも上手につき合っていけそう。年代ごとの適切なセルフケアを実践して、健康面や美容面の維持につなげてみて。

教えてくれた人

岸直美さん

漢方専門店「ニホンドウ漢方ブティック薬日本堂 青山店」薬剤師・漢方相談員。漢方薬から和漢ブレンドティ、スキンケアまで、からだの内外からのトータルケアを提案している。同店地下1階には「薬膳レストラン10ZEN青山店」があり、おいしくヘルシーな薬膳料理が楽しめる。

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WRITING/TOMOKO OTSUBO

※記事は2021年9月29日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります