農家さん直伝! 野菜の本当においしい食べ方~福島・ロマネスコ~【連載エッセイ】

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その野菜の本当においしい食べ方を、人気フードライターの白央篤司さんが、生産農家さんのキッチンを訪ねて教えてもらう連載エッセイ。今回は、最近よく見かけるけれど「食べ方がわからない」と言われがちな野菜の筆頭、ロマネスコが主役です。福島県南相馬市の農家さんに聞く、ロマネスコのおすすめメニューとは??

更新日:2021/02/20

ほっくり、ほくほくロマネスコの天ぷら

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ロマネスコの天ぷら。オリーブ油と米油で揚げてあり、とても軽い仕上がりに。塩でいただくと素材の味が引き立つ

「ゴジラの背中みたい」
誰かがロマネスコのことをそう書いてて、うまいこと言うなあと妙に感心した。

一度見たら忘れられない野菜だ。渦をまいた円すいが集結して、ドリルのような形をなしている。
スーパーマリオの世界にいそうな感じもするロマネスコ、見たことはあれど食べたことはないという人も多いだろう。
福島県南相馬市の生産農家、武田幸彦さん宅を訪ねた。

「ブロッコリーやカリフラワーの仲間なんで、同じように使っていただければ。うちは天ぷらにするか、ゆでてマヨネーズつけて食べることが多いかなあ」。
屈託のない笑顔で迎えてくださった武田さんは、農家の四代目で今年34歳。

妻の小百合さんが、天ぷらを揚げてくれた。
カリッとした衣の中に、いい香りが満ちる。
なんと食欲を誘う匂いだろう。
食感はほっくり、ほくほく。ゴジラの背中は意外なほどに柔らかかった。
そしてうま味も強いんだな、スープに入れたらいいダシが出そう。

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ロマネスコをベーコン、ブロッコリーと一緒にソテーしたもの。柔らかくて、火が通りやすいのもロマネスコの特徴のひとつ

「加熱すると甘みも出ますね。あと、お肉との相性がいいんです。
きょうはベーコンを入れて、ニンニクとバターでソテーしました。
豚と一緒にオイスターソースで炒めてもおいしい。
炒める前にレンジで3~4分チンしてから合わせるといいですよ」

話を聞きつつ、天ぷらにまた手が伸びる。
いやはや、クセになっちゃったな。
白ワインと一緒に食べたいぞ。そうだ、アヒージョにしてもよさそうだ。
「いいですね、唐辛子とキノコも入れて。子どもが生まれる前はおつまみによく作ってたんですよ」と小百合さん。
3歳になる娘さんのお気に入りは、シンプルな塩ゆでだそう。

「マヨネーズつけると怒るんですよ。そのままがいい、味つけはしないほうがいいって」。
うーん、通である。ちなみにロマネスコは生でもいけるそう。
コリコリとした食感で、バーニャカウダのように食べるのもおすすめとのこと。
多彩に楽しめるなあ、ロマネスコ。

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武田さんたちは米やキャベツ、カボチャなども育てており、ロマネスコに取り組んだのは4年前から。

都市部では売れるが、地元では苦戦しているそう。
そして、福島県産ということでの風評被害もまだまだあると教えてくれた。

「でも、だからこそここで農業やるのが面白いかなって」。
売れないと言われるものを売ることができたら面白いでしょ、と武田さんはまた、屈託なく笑った。

武田ファーム(福島県南相馬市)

武田ファームは福島県の北東部、南相馬市で代々続く農園。大学で農業を学んだ武田幸彦さんが四代目を継ぎ、ロマネスコのほか、お米やブロッコリー、ミニトマトなどさまざまな野菜を栽培している。お米や季節の野菜セットは、ウェブサイトから直接購入可能

文・白央篤司

はくおうあつし フードライター、料理家。「暮らしと食」、郷土料理をテーマに執筆。CREA WEB、ハフポストなどで連載中。主な著書に『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)、『自炊力』(光文社新書)など。企業へのレシピ提供も定期的に行っている

Photo:KEI KATAGIRI
※メトロミニッツ2021年3月号「行ってきました、農家さんの台所。」より転載
※掲載店舗や商品などの情報は、取材時と変更になっている場合もございますので、ご了承ください

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