坐禅で自分と向き合う京都の朝_ローカルモーニング~朝の景色

ローカルモーニング 建仁寺塔頭 両足院の坐禅

ローカルの日常を訪ねる「ステイケーション」。滞在中に出会える、その町ならではの朝の風景をフォトグラファー嶋崎征弘さんの一枚の写真と文でお届けします。今号は、由緒ある寺院が点在する京都府京都市の「建仁寺塔頭 両足院」を訪ねました。朝の凛とした空気の中、美しい庭園を望みながら行う坐禅をご紹介します

更新日:2021/04/20

ローカルモーニング 建仁寺塔頭 両足院の坐禅

 4月3日、京都。早々と桜は散り始め、その日、京都の街は、初夏を思わせる湿気を帯びた空気。四条烏丸から鴨川をわたり、花見小路を抜けた先に目的地の両足院。

 坐禅に対していわゆるステレオタイプな考えを持っていたが、ここでは僧侶は警策(けいさく)を持たないで、一緒に座られる。ひと通りのご説明をいただき、小鈴(おりん)の冴えた音を合図に、各々落ち着く形でお庭に向かって座る。初めは音だけに集中する時間。これがそう簡単ではない。頭の中がぐるぐると別のことを考えたり、座り位置が気になったりと、音と向き合えたのはほんのわずか。

 その後、自身の体の感覚、微細な動きを感じる。僧侶の品部さんの言葉で、「体の違和感を観察してみてください」というのが印象的だった。

 普段自然に遠ざけたり、抑え込もうとするようなこと(かゆみ、痛み、不安など)をよーくのぞいてみる。例えば蚊に刺された時も、かゆみの他に、痺れ、痛み、心地よさといくつもの感覚があるという。

 かゆみを静観するには、もう少し時間がかかりそうだが、今回お庭に向いて座るだけで、ただただ気持ちよかった。池の周りに半夏生が埋め尽くす頃、また訪れてみたい。

今回訪れたスポット:京都府京都市「建仁寺塔頭 両足院」

1202年に創建された建仁寺の一角で、阿弥陀如来を祀る両足院。すがすがしい朝の坐禅体験はほぼ毎日8時半から約90分。終了後は非公開のご本尊参拝、庭園観覧ができるのも嬉しい。若葉が美しい「初夏の特別公開」(5/1~23)、庭園に群生する「半夏生の庭園特別公開」(6/1~7/11)もお見逃しなく

建仁寺塔頭 両足院

TEL.075-561-3216
京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591
※坐禅体験は、毎日8:30~10:00(変動あり、HPにて要確認)、志納料2,000円、HPより要予約 ※「初夏の特別公開」、「半夏生の庭園特別公開」は、ともに拝観料1,000円、拝観時間10:00~16:30

ローカルモーニング 鎌倉あの朝

写真と文 嶋崎征弘

フォトグラファー、長崎県佐世保市生まれ。西澤崇氏に師事後、2014年に独立。本誌をはじめ、雑誌、広告などで活躍中

PHOTO&TEXT/MASAHIRO SHIMAZAKI
※メトロミニッツ2021年5月号「ローカルモーニング」より転載 

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