おしゃれは足元から!装う楽しさが見つかる、国産シューレースブランドのアレンジ術

いつもの装いに心地よくアクセントをプラスしてくれるのが、おしゃれに差をつけるファッション小物たち。服好きやスニーカー好きの間で今、シューレース(=靴ひも)を変えるちょっとしたアレンジがトレンドになっています。今回は、SNSで注目の国産シューレースブランド「VINCENT SHOELASE」に、シューレースのアレンジ術や、人気のアイテムを聞いてきました。

更新日:2021/05/20

H.COOPER Heather Gray(1650円)/夫妻が愛用するグレーのニューバランスにと、ヘザーグレーのスウェットのひもから着想を得て作成。濃淡のあるグレーを撚り合わせた抜け感が絶妙です。アイボリーにグレーを混ぜたオートミールの2色展開。名称はニューバランスを履いて最初に走ったマラソンランナーと言われるケネス・H・クーパーから

例えば、長く履き続けているお気に入りのスニーカー。深い愛着はあるものの、ときには新しい刺激やスパイスが欲しくなるなんてことも。「そんな気持ちが湧いてきたら、シューレース(靴ひも)で変化を付けてみては。シューレースを変えると、全体が明るい印象になったり、キリっと引き締まった表情になったり、シューズの違うよさが見えてくるんですよ」と、「VINCENT SHOELACE」の上野マリさんは話します。

TRAVIS Fukugi(2200円)/映画『タクシードライバー』でロバート・デ・ニーロが演じた主人公トラヴィスをイメージしたヘリンボーン織りのシューレースを奄美大島の「金井工芸」が染色。奄美や沖縄では防風林の役割を果たす、フクギで染めあげた、鮮やかなイエローが印象的。少しずつ風合いを変えていく、経年変化も楽しみ

「VINCENT SHOELACE」は、京都府出身のNABEさん・上野マリさん夫婦が、2014年に立ち上げたシューレースブランド。国内生産にこだわり、コットンをはじめ天然素材を中心に使っています。そのため、自然な風合いがあり、年代物のビンテージシューズとも違和感なく調和。メイン写真に並ぶスニーカーに通されたシューレースは、すべてこのブランドのアイテムです。

PEE-WEE Blue Stripe(1650円)/アメリカ発のスニーカーブランド・プロケッズが1980年代に生産していたアクリル製シューレースをコットン100%で再現。名称はアメリカのコメディ映画のキャラクター、ピーウィー・ハーマンに由来。もし彼が劇中でスニーカーを履いていたら、このシューレースが似合うはずとの思いを込めているそう

ブランド立ち上げのきっかけは、古いものが大好きという2人がアンティークショップで出合った1950年代のアメリカ製のシューレース。ひと目で気に入ったものの、短すぎて使えなかったそう。「でも諦めきれなくて。そこで、自分たちで作ってみようと決意したんです。とは言え、2人ともシューレースに関しては知らないことばかり。まずはビンテージのシューレースを集められるだけ集めて、切って断面を見たり、編み方や素材を研究したり。靴ひもを製造してくれる工場探しなど、リサーチを積み重ねました」

JAY RIVER(1650円)/日本のコットンとは少し違うさらりとした質感のUS コットン100%の新作。アメリカを意識して、コンバースとVANS向けに作られた。名称はNABEさんの憧れの存在だった、伝説のスケートボーダー、ジェイ・アダムスと、映画の中でオールスターをよく履いていた俳優リバー・フェニックスを組み合わせ

最初に完成したのが「H.Cooper」。2人のお気に入りだった杢グレーのパーカーのひもを、シューレースにアレンジしてみたいと思い立ち、試行錯誤の末に完成。コットン100%で、触ると少しふっくらした印象。今ではブランドを代表するアイテムのひとつになりました。
「もともとある“いいもの”を再構築して、日本の高い技術でさらによいものに仕上げていきたい。化繊のシューレースをコットンで再現したり、ありそうだけど実はなかった、ヘリンボーン織りのものを作ったり。染色家さんによる染めシリーズや、リネンやシルクのシューレースも作りました。完成に約1年を費やしたアイテムもありますが、職人さんたちが興味を持って辛抱強くトライしてくれている。心強い存在ですね」

PAUL(2200円)/ポール・ニューマン、ポール・マッカートニーなど、ポールという名前の男性には粋な人がたくさんいるという思いからネーミング。ロレックスのベルトを金属からナイロンにカジュアルダウンさせるイメージで使ってほしいと、登山靴に用いられるナイロンコードを革靴やドレスシューズのシューレースに

「VINCENT SHOELACE」の靴ひもは、素材選びへのこだわりや丁寧な仕上げが魅力ですが、それぞれに込められたストーリーもファンに愛される理由かもしれません。好きな映画の主人公や敬愛する憧れの人がスニーカーを履いていたら、きっとこんな靴ひもを選んだはず。2人はそんなストーリーを頭の中に思い描きながら、シューレース作りに励んでいます。そのため、商品にはキーパーソンとなる人物の名前がネーミングされているのです。
「シューレースって、人間に例えると髪型みたいなものだと思います。ちょっとアレンジするだけで、心が不思議と弾んで、お出かけが待ち遠しくなってくるんですよ」

VINCENT SHOELASE

約15モデルのシューレースのほか、スニーカーに付けるポーチや泥除けも展開。シューレースはリネンの貼り箱入りでギフトにも最適。

PHOTO/SAORI KOJIMA WRITING/MIE NAKAMURA(JAM SESSION)
※メトロミニッツ2021年6月号特集「着ることで変わる、日本の服」より転載

  • LINEで送る