兵庫県の老舗日本酒蔵の若き挑戦者たちを訪ねて_MEETS SAKEBITO Vol.06

日本の酒が生まれる地を訪ねる連載「MEETS SAKEBITO」。今回訪ねたのは、日本酒銘醸地・灘の江戸時代から続く老舗蔵。業界とファンを驚かせた、若き挑戦者たちの物語。

更新日:2021/06/20

SAKEBITO Vol.06  兵庫・神戸市「白鶴酒造」 別鶴プロジェクトチーム

「白鶴酒造」は1743 年創業。2016 年、日本酒ブランド「別鶴」開発のため、さまざまな部署から若手社員10 人が集結。約2 年半をかけ、ユニークな味わいの日本酒3 種を開発。プロジェクトは社内外で高評価を獲得、今後も日本酒需要創出のため活動を続ける

「え、これが日本酒?」思わずそう呟くほどの果実味と爽やかさ! そんな個性派酒「別鶴(べっかく)」を手掛けたのは、日本酒業界の超大手「白鶴酒造」。そう、コンビニで見かけるあの白鶴です。

「日本酒の消費量は今や最盛期の三分の一以下で、飲み手の高齢化も進行中。もっと若い人にアピールできる商品をと、上司に掛け合ったのが始まりです」と話すのは、プロジェクト発起人であるマーケティング部の佐田尚隆さん。20~30代の若手チームで掲げたのが、かつてない日本酒を造るというミッションでした。

右/数百回の試験醸造を経て生まれた別鶴シリーズ。すべて低アルコールの純
米酒で、柑橘の酸味やハーブの香り、デザートのような甘みなど三者三様の個
性が。ラベルの仕掛けも必見 左上/日本有数の酒どころを牽引する白鶴 左下/大正期の仕込み蔵を利用した「白鶴酒造資料館」は無料で一般見学が可能

鍵は老舗ならではの“財産”。例えば酵母は、400種を超える自社ライブラリーから、お蔵入りだったキャラ立ち酵母を選出。酒米は自社開発の白鶴錦、一部工程に杉樽を用いて複雑味を出すなど、蔵の知見と技術をフル活用。

かくして、3種の革新的な日本酒が誕生したのです。商品テーマは、虫眼鏡とシュノーケルと望遠鏡。「初めての世界を覗くのは、少しどきどきするものだから」と佐田さん。レンズの向こうに、日本酒の可能性が広がります。

「白鶴酒造」で生まれた日本酒

別鶴 木漏れ日のムシメガネ
2743円(720ml)

ライムをきゅっと搾ったような鮮烈な香りと酸味に、ほどよい甘みが調和。爽快なイメージの低アルコール酒。「夏はキリっと冷やして炭酸水で割るのもおすすめ」と佐田さん

白鶴酒造

TEL.078-856-7190(お客様相談室)
兵庫県神戸市東灘区住吉南町4-5-5
「白鶴酒造資料館」は入場無料、通常営業時試飲あり。※コロナ禍の営業形態は公式サイトで要確認

PHOTO/SAORI KOJIMA TEXT/RIE KARASAWA
※メトロミニッツ2021年7月号「MEETS SAKEBITO」より転載

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