共働きで住宅ローンを組むコツは?3タイプのローンについてメリット・デメリットをわかりやすくFPが解説

共働きが住宅ローンを組む場合には、単独ローン、収入合算、ペアローンの3つの選択肢がある。住宅ローン控除による節税や、夫婦のどちらかが亡くなった場合の保障などの点から、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんにわかりやすく解説してもらいました。

更新日:2021/06/20

夫婦の片方が全額ローンを組む「単独ローン」

夫婦の片方が全額ローンを組む「単独ローン」

夫か妻、どちらか一方が住宅ローンを利用するのが「単独ローン」。
「この場合、1人分の収入で金融機関のローン審査が行われるため、借入希望額が大きかったり収入が少なかったりすると、満額借りられない可能性があります。夫婦の収入格差がある場合や、それなりに頭金が用意できる場合などによく利用されます」と氏家さん。

メリットは子供を授かったり、親の介護が必要になるなど、どちらかが働けなくなる場合でも、ある程度余裕を持って返済ができること。ただし、ローンを組んでいない側が亡くなった場合には、注意が必要だそう。
「例えば、夫婦で家計を支えているものの、妻は頭金だけを出し、夫が住宅ローンを組んでいる場合には、夫が亡くなると団体信用生命保険(以下、団信)により住宅ローンの残債が0円になります。一方で、妻が亡くなった場合には、住宅ローンの返済が全額残ることになり、遺された夫の負担が大きくなる点には注意が必要です」(氏家さん)

借入額を増やしたいときには「収入合算」

借入額を増やしたいときには「収入合算」

単独ローンでは希望の額に届かない場合はどうすればいい?
「収入合算を選択すると、ローン契約者は夫か妻のどちらか一方ですが、夫婦の収入を合計した金額で住宅ローン審査が行われるため、単独ローンよりも大きな金額を借りやすくなります。
この場合、夫か妻のどちらかがローン契約者となり、もう一方が連帯保証人となります。住宅ローン契約はひとつなので、ローン借り入れにかかる登記費用や保証料などは1契約分で済む点もメリットと言えます」(氏家さん)

では収入合算の注意点はある?
「例えば、夫がローン契約者となり、妻が連帯保証人となる場合、夫が亡くなると妻には住宅ローンの返済不要な家を残せます。一方、妻が亡くなった場合には、夫のローンはそのまま残るので今まで通り住宅ローンの返済が続くので注意が必要です。

また、単独ローンよりも大きな金額を借りやすい収入合算ですが、住宅ローン控除の上限額はローン契約者1人分の収入とローン残高だけで計算されます」と氏家さん。

夫婦それぞれが住宅ローンを組む「ペアローン」

夫婦それぞれが住宅ローンを組む「ペアローン」

では3つ目の選択肢「ペアローン」はどんな制度?
「ひとつの家に対して、夫と妻がそれぞれローンを組むのがペアローンです。物件価格が高くても、1人あたりの借入額を少なくできるので、金融機関のローン審査に通りやすくなります」(氏家さん)

収入合算との違いはどんなところ?
「ローン契約後にもしも夫が亡くなった場合には、夫の団信により夫分のローンは完済されますが、その後も妻名義の住宅ローン返済は続きます。同様に、妻が亡くなった場合には、妻の団信により妻名義の住宅ローンが完済されますが、その後も夫名義の住宅ローン返済が続きます。

住宅ローン控除についても、夫婦それぞれが控除を受けられるので、節税効果が期待できます。ただし、住宅ローンを2本組むため、ローン契約時の保証料や手数料なども2本分かかるので注意が必要です」と氏家さん。

それぞれの特徴を理解して、自分たちにあった選択を
※表では夫を主のローン契約者とした場合で示しています

それぞれの特徴を理解して、自分たちにあった選択を

「共働きで収入も夫婦間格差があまりないようであれば、最も対等でわかりやすいのがペアローンです。それに対して、単独ローンや収入合算の場合には、配偶者が亡くなった場合のローン契約者の負担がとても重くなることに注意が必要です。その分、配偶者の死亡保障を備えておきましょう」と氏家さん。

ほかに共働き世帯が家を持つときに注意すべきことはある?
「夫婦の家の持ち分は、お金を出した割合に応じて設定します。例えば、妻と夫が物件価格の10分の1ずつ頭金を出し、夫が物件価格の8割の住宅ローンを組む場合には、持ち分割合は妻1:夫9で設定し、夫婦の共有財産として登記します。共有財産となっていれば、夫婦間にトラブルが生じても、単独では売却できないので注意が必要です。
また、もし離婚をして物件を売却する場合には、持ち分割合にかかわらず、『離婚時の売却代金-ローンの残債』をふたりで等分するのが基本的な考え方になります」(氏家さん)

教えてくれた人

氏家祥美(うじいえよしみ)さん

ハートマネー代表。
ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。家計の見直し相談や講演活動を通じて、お金の基礎知識を伝えている。お金だけじゃない『幸福度の高い家計づくり』を総合的にサポートしている。zoomなどを使ったオンラインでの家計相談も受付中。

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

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先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。

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