minneハンドメイドアワード2018レポート

更新日:2018/12/26

このページでは、毎号のオズマガジン制作の編集後記のような、こぼれ話のような、誌面に載せきれなかったサイドストーリーを編集部員が少しずつご紹介しています。今回はクマダが雑貨特集のこぼれ話をお届けします。

ハンドメイドマーケットminneを知っていますか?

こんにちは、オズマガジン編集部のクマダです。毎日寒いですね。

今月12日発売のオズマガジン最新号「雑貨好き。」特集は、2年振りの雑貨特集です。

クラフト雑貨がたくさん見つかる蔵前エリアや、暮らしを充実させてくれるアイテムが揃う幡ヶ谷エリアなど、雑貨さんぽが楽しい町を紹介しているので、ぜひご覧ください。

ところで、雑貨店を巡っていると作家さんが作った一点ものの商品に出会うことが多々ありますが、みなさんはハンドメイド雑貨をWEB上で販売・購入できる“ハンドメイドマーケット”をご存知でしょうか。

48万人以上の作家さんによって作られた約880万点の作品が出品されている国内最大のハンドメイドマーケット、それが「minne(ミンネ)」です。

今回の雑貨特集では、そんなminneによる「minneハンドメイドアワード2018」をご紹介中。「minneハンドメイドアワード」は、作家のみなさんの活動を支援し作家としての可能性を広げることを目標にminneが2015年から毎年開催しているコンテストで、グランプリをめざして毎年数万点の作品応募が集まる一大イベントです。

このアワードでは、タレントの篠原ともえさんなどゲスト審査員の方による審査もあるのですが、2018年から企業賞という企業が審査する賞が設けられました。

そしてなんと、オズマガジン編集部も“スターツ出版賞”という名前でこのアワードへ審査員として参加してきました!

審査中には素敵な応募作品の数々に感動し、授賞式では作家さんたちの想いに触れ思わず涙しそうになるほど。

今日はそんな「minneハンドメイドアワード2018」についてお話させてください。

一室にぎっしりと作品が並べられた審査室。増田セバスチャンさんなど、ゲスト審査員の方々と一緒に緊張の審査時間

11月某日、渋谷での作品審査へ

「minneハンドメイドアワード2018」には約1万4000点を超える応募がありました。

副編集長のタキセと共に渋谷の審査会場へ向かうと、そこにはずらりと並ぶ作品たち。小さなアクセサリーから子供服、家具まで、本当に多彩なラインナップでした。

一つひとつのアイテムの横には、作品に込めた想いや注目ポイントなどを説明した紙が置かれていました。枠にびっしり文字が書かれたものなどを見ていると、もはや手紙を読んでいる感覚に。

そんな説明文に目を通しつつ、審査中驚いたことは、事前にWEB上で公開されていた最終ノミネート作品の写真のイメージよりも、実際に作品を手にしたときの印象がはるかにすばらしかったこと。

普通のビーズだと思っていたら、実物は木を手彫りして作られたイチから手作りのビーズで、手彫りの跡などがすごくよい味を出していたり。

1年中使えるという真鍮のリースは、賃貸住宅でも気兼ねなく飾りやすいよう重量を極力軽く作ってあったりして。写真ではわからない細やかな表現や、作家さんの意図された相手への気遣いなどもしっかりと伝わってきました。

約100ほどの最終ノミネート作品から審査をしましたが、実際に応募作品を手に取って、作家さんの想いを感じられたことが大変貴重な体験だったなと思います。

ドレスの装飾技法であるオートクチュール刺繍で仕上げられた繊細な作品。審査中の展示は家形の枠に入っているという素敵なアプローチで、このまま家に飾りたいくらいでした

スターツ出版賞は、アトリエミリュウさんの「窓ブローチ」

数々の作品を拝見した結果、タキセと私が“スターツ出版賞”として選んだのは、アトリエミリュウさんの「窓ブローチ」。

この作品を選んだポイントは、「着けているといつもよりほんの少しオープンマインドになれる」「着けているひとを見かけたら思わず話しかけたくなる」「小さな絵画を持ち歩くように楽しめる」、そんなコンセプトです。

ブローチというものは、必ずしも暮らしに必要ではないもの。

ですが、そこにあると少し気分が上がったり、身に付けると嬉しい気持ちになったり、それば“いい1日”へと近づくきっかけや後押しになるものだと思います。

いつもよりほんの少しオープンマインドになれたら、下を向く時間が少なくなって、目線の先に新しいお店の看板を見つけられるかもしれません。

きっと周りの人とのコミュニケーションも増えて、笑顔の時間も増えるでしょう。

窓の先に広がる世界は、素敵な明日、そしていい1日のはずです。

オズマガジンの掲げる「いい1日」を送れそうな素敵な作品に出会えて、なんだか感激しました。

アトリエミリュウさんに賞を贈るタキセ。ゲスト審査員のみなさん、企業賞の企業の方々、受賞作家さん、みんなで記念撮影

12月には、各賞が発表される授賞式も開催されました

作品審査から1カ月後、表参道のスパイラルホールで開催された授賞式には約100名の作家さんが集まりました。

当日、受賞作品がその場で発表され、選ばれた作品の作家さんが登壇するのです。

暗い会場が緊張感に包まれていました。

lapi lapiさんの受賞作品。メリーゴーランドの刺繍がかわいい子供服です

大賞作品はlapi lapiさんの「真夜中のメリーゴーランドワンピースとヘッドドレス」。

子供ならではの純粋で自由な発想をずっと忘れないで欲しいという想いや、すくすくと育って欲しいけれどかわいい姿のままでもいて欲しい、という母親の複雑な心を表現したものだそうです。

受賞コメントを聞いているうちに感動してうるっとしてしまいましたが、受賞作家さんには、lapi lapiさんのようにお子さんのいらっしゃる主婦の方もいれば、3人組でクリエイターとして出発したばかりのユニット、日本の伝統工芸を残したいと作品作りに取り組む工芸作家さんなど多種多様。

また審査員の方々の選出理由からも、“ハンドメイド”という定義の広さを再認識しました。作る人がさまざまなのはもちろん、人によって“ハンドメイド”のとらえ方や向き合い方が全然違うのです。

とても繊細な羊毛フェルト作品を選んで「ハンドメイド作品は、作ったときの手数や手間が多いほど、気持ちが相手に届く」という考えの審査員もいらっしゃれば、デザインがプリントされた缶バッジを選んで「作るのが簡単だったとしても、大事なのはつける人の気持ちで、それがすばらしいものであればハンドメイド作品である」と言う方も。

手を加え、気持ちをのせ、使う人や届けた相手が喜ぶものが“ハンドメイド”なのだとしたら、そこになにも制限はないのかもしれません。

個人的には、サプライズ審査員として来ていたりゅうちぇるさんが“パパ賞”を選ばれており、そのコメントで「愛の伝え方にハンドメイドっていいですね」とおっしゃっていたのが印象的でした。

作る間に考えたことや想いが作品に込められ、それを身に付けたり誰かに贈ったりすることで、日々に気持ちが少しプラスされていい気分になる。

いい1日を過ごす素敵なエッセンス、それが雑貨なのだなと思います。

授賞式の日は、皆さんの素敵な想いや話が聞けて個人的にもすごくいい1日でした。そして、この年末年始にはなにか手作りに挑戦することを小さく決心しました。

みなさんも雑貨に触れ、いい1日が過ごせますように。

OZmagazine1月号「雑貨好き。」特集

ものを買わない、持たない時代といわれる昨今。とはいえ、実用性もコスパも度外視してでも、ほしい「もの」があることもまた確かです。今号は、こんな時代に、それでもほしくなる雑貨たちを、たくさん紹介。目が合うたびに癒されるかわいいもの、元気が出るカラフルなもの、シンプルに「これが好き」と心から思えるもの・・・。そんな、宝物のような雑貨をひとつでも見つけられたらとても楽しくて、とても豊かなことだと思いませんか。どうぞ雑貨さんぽで、いい1日を。

発売
2018年12月12日(水)
定価
593円+税
販売場所
全国の書店、コンビニエンスストア、駅売店などで発売
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※記事は2018年12月26日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります