年末を前に、上司から突然任された会食のセッティング。なにから始めたら・・・と戸惑っている方へ、「会食を完璧に実現させる!」を目標に時間軸に沿った実践的なアドバイスをお届け。
今回は、会食専門家で大ヒット著書を持つyuuuさんが、「年末の予約」を踏まえて気を付けるべきポイントと、その解決策についても指南。実は会食に誘いやすい時期でもある年末年始、準備に時間がなくても上手く乗り切るコツをチェックして。
年末年始だからこその注意点も!会食を成功に導く7つのポイント
①会食の本質は「相手への想像力」。まずは「ビジネス目的」を明確に
まず、会食のセッティングを任されたときに心に留めておきたいのが、会食の本質は“想像力を持って相手側が何をすれば喜ぶのかを徹底的に考え抜く”ということです。スマートに物事が進まなくても、その気持ちはゲストはもちろん、自分の上司に伝わるものだと思います。
そもそも、会食と飲み会の違いは会社の経費を使って開かれる「ビジネス目的」のあるものだということ。会食後、情報がもらえる仲になる、他者と比べて優位な存在になるなど、何を目的とした会か?を想定しつつ、その場ではあくまでもゲストと良い関係を築くことを目標に。以下の「会食目的チェックリスト」を参考に、その背景や目的を上司に確認すれば、おのずと見えてきますよ。
会食目的チェックリスト(以下、yuuuさんの著書「ビジネス会食完全攻略マニュアル」より)
◆会食の背景
・ホスト/ゲストの肩書と名前は?
・会食日時は決まっているか? 決まっていない場合は誰がどのように決めるのか?
・会食を決定するに至ったきっかけは?
◆会食の目的
・会食を通して達成したビジネス目的は何か?
・なぜこのタイミングで会食をするのか?
・会食を設定した場合と設定しなかった場合で何を差として生み出すべきか?
・会食における自分の役割/期待されていることは何か?
②年末年始の予約でも「前始末」を大切に!
会食においては、事前準備である“前始末”が9割。その内容は、1.会食の背景・目的の理解、2.日程調整、3.周辺情報のリサーチ、4.お店の選定、5.上司への提案、6.お店の予約と参加者への案内、7.会場の下見、8.手土産の準備、9.二次会の準備、10.リマインドメールとさまざま。これらを事前にしっかりしておくことで、お店選びの失敗や当日のトラブルなどのリスクを減らせます。
また、年末年始の会食では特に、予約が集中し、理想のお店を押さえることができないこともあるので、お店の予約は急ぐ必要があります。また、年末年始はキャンセルポリシーが通常と変わるお店も多いので、改めての確認を忘れずに。
③準備初日/目的の理解や参加者の情報収集
会食が決まったら、まず私が行うのが「会食選定基準書」を作り、上司にそれに沿って進めていいのか同意を取ることです。しかし、年末年始はお店の予約がどんどん埋まってしまうので、会食が決まったその日のうちに、大枠の会食目的と背景(会食が決まった経緯)をおさえつつ、日程が決まっていないのならその調整もします。
並行して、周辺情報の収集もスタート。ゲストの中でキーパーソンとなる方の食の好みやビールの銘柄指定、会食エリア、予算や費用の負担割合、手土産の要不要など。そして、ゲスト、ホストともに参加者のアレルギーや苦手な食べ物のチェック、また、足が不自由な方にとっては座敷席が負担になってしまうため、その確認も忘れずに。準備を始めて2、3日の間にはそれらを押さえ、上司と方向性の確認を。その情報をもとに、お店の選定を行います。
あわせて確認したいのが、お土産の有無です。企業によっては受け取れない、会食のお礼でもらうこともあるのであえて準備しないなど、ケースバイケース。予算にも関わるので、有無だけでも初日に確認を。
「会食選定基準書」の内容(yuuuさん著書より)
・会食目的
・会食の前後で生み出したい差
・会食日時
・参加者
・予算
・会食エリア
・個室要否
・考慮すべきアレルギー・苦手なもの
・料理ジャンル方針
・確認希望事項
(ビールの銘柄、二次会の選定基準、予算超過した時の対応、領収書の宛名など)
・NEXT STEP
(上司からのフィードバックの内容や締切、自身の今後の動きなど)
④準備開始3日目には上司へお店の提案を! 決まり次第すぐに予約
会食が決まって3日目には、上司にお店の提案を行います。3つほど候補をリストアップし、予算・ジャンル・エリア・選定理由や予算に関する備考などをまとめると分かりやすいです。決まったらただちに予約をし、お店へは会食目的であること、アレルギーや苦手食材の有無、予算の上限についても相談。ゲスト、ホストの会社名も伝えておけば、競合他社とバッティングしないよう席配置などの配慮をしてもらえることも。
お店が決まったら、二次会の想定もしておきたいもの。お店と同じエリアで、上司の行きつけを聞いておき、事前に足を運んでおくとベター。その際には、上司の紹介であることと、「12月◯日の◯時ごろ、◯名でお邪魔するかもしれません」と伝えます。スナックやカラオケ、バーなど選択肢はさまざまですが、一次会で場が温まり、深い話ができそうなときやキーパーソンがお酒好きな時はバーというチョイスも。
どんな手土産が良いかも考え始めたいもの。ホストの周辺情報をもとにしつつ、上司にも相談しながら検討します。
お店の予約が取れたら、ゲスト、ホストの参加者へメールをします。日時・店の住所・最寄駅からのアクセスや時間・ドレスコードがある場合はそれについても。また、社内の参加者へは2次会の想定や手土産の情報も、ここで共有しておくと、おすすめを教えてもらえる場合もあります。
⑤2、3日前にはリマインドメールを忘れずに、手土産購入もすませよう
会食当日の2日前には、ゲスト、ホスト全員に対してリマインドメールを必ず送っておくこと。不参加・遅刻の人が出る、アレルギーなどの伝え忘れがあっても、すぐに連絡がもらえるとは限りません。リマインドをすることで、リスクを低減させることができます。通常は前々日くらいまでなら、キャンセル料がかからずにお店も変更対応してくれることも。
また、当日の会話に不安があるのなら、写真や経歴、プライベートで好きなことを簡単にまとめたプロフィールシートを作り、このタイミングにゲストへ共有するのがおすすめ。「良い会食にしたいと思ったので、私たちの情報をまとめてお渡しいたします」とホスト側の参加者のものを共有します。彼らがそれを見て共通点を話してくれたり、ゲスト側のプロフィールシートを送ってくれる場合もあるので、話が弾みやすくなりますよ。
あらかじめ上司に相談した、手土産の購入もこのくらいのタイミングに。
⑥当日は「共通点探し」で盛り上げよう
当日、15分前には到着して、お店へ手土産を預けておいたり、予算の上限がある場合は改めて伝えておくことが大切です。
いざ、会食が始まった時に不安なのが会話です。まずは、「この人だったら仕事を任せられる、一緒に仕事をしたい」と思ってもらうことが大切。そのために、趣味や興味があること、経歴などどんなことでも良いので、相手との共通点探しをして、親しみを持ってもらいましょう。
また、予算マネジメントも忘れずに。会食初心者ならコース料理&飲み放題を選ぶのが無難ですが、予算や料理のグレードとの兼ね合いなどで難しいことも。その場合は、お店に予算を伝えておいて、超えそうなら合図をしてもらい、危ない時にはこっそり上司へ相談を。
一次会が終わったら、二次会へ。ゲストに行きたいお店があればそこへ行けばOK。予定していたお店に行く場合も、予算管理が大切になります。
翌朝は、「お礼メールまで送って会食」と心得て、ゲストはもちろん、社内の参加者へも一報を。また、ホストに送る際に注意したいのが、上司を立てるということ。上司がメールをした後に、被せる形で送るのがベターです。
⑦誘いやすい年末年始の会食は、関係構築や修復のチャンス!接待幹事体験によって叶えられるものとは?
若手時代、迷惑をかけてしまったクライアントとの関係を修復する際に、会食を活用することもありました。特に年末年始は誘いやすい時期。対面する機会をつくり、「次こそは期待に応えるので、チャンスがほしい」と思いを伝えられる。もちろん、日頃の仕事ぶりが大切なのは大前提ですが、会食を関係を修復するきっかけとすることも有効です。
私自身が、なぜ会食を頑張ってやるのかというと、自分の人生にプラスになることがあまりにも多いからです。その時間によって絆が深まり、自分にも、ゲストにとっても大切な思い出になる。いわば、会食は自分がやりたいことへの“通行手形”。今の会社でやりたい仕事が任されるようになったり、転職などのステップアップにつながることもあります。つまり“キャリア形成を含めて自分の人生が豊かになる”わけです。実際、私の今の仕事も、会食がきっかけで縁ができ、つかんだものです。会食は面倒な雑務、と思わず、しっかりと意志を持ちやり遂げれば、きっと自分自身の成長につながるでしょう。

Profile:yuuuさん
- 京都大学大学院修了後、新卒で大手広告代理店に入社。先輩の言葉をきっかけに会食に全力で取り組み、最大月28回の会食を経験。その苦戦苦闘の末に、すべての会食・食事会を誰もが成功に導くことができる「会食メソッド」を独自に生み出す。その後、会食をきっかけに念願のスタートアップ企業に就職。転職後も会食を通じて関係構築した企業から仕事を受けるなど、会食で人生の起点を創り出している。そんな「会食メソッド」の一部を公開したnote『若手のうちに絶対身に着けたい「ビジネス会食完全攻略マニュアル」』は大きな反響を呼び、2024年に初の著書『ビジネス会食 完全攻略マニュアル すべての食事会を成功に導く最強の実務メソッド』(ダイヤモンド社)を発行。
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よくある質問
初めて会食の幹事を任され、年末の多忙な時期に何から手をつければ良いか戸惑っています。特に重要な初期対応について教えていただけますか?
まず会食の「ビジネス目的」を明確にし、ゲストが喜ぶことを想像する視点が大切です。会食が決まったその日中に、大まかな目的と背景、そして日程調整に着手してください。同時に、ゲストの食の好みやアレルギー、予算、手土産の有無といった周辺情報を集め始めるのが肝心です。これらを「会食選定基準書」としてまとめ、上司と方向性を確認するとスムーズに進められます。
年末年始に会食をセッティングする際、お店の予約で特に気をつけるべきことは何ですか?希望のお店が取れないリスクを減らすにはどうすれば良いでしょうか?
年末年始は予約が集中するため、お店の選定と予約を急ぐことが非常に重要です。会食が決まってから3日以内には上司へお店を複数提案し、決まり次第すぐに予約を入れることをおすすめします。また、キャンセルポリシーが通常と異なる店舗が多いので、予約時には必ず確認しておくと、万が一の変更時にも安心です。
会食当日、ゲストとの会話を盛り上げ、良い関係を築くために、幹事として心がけるべき具体的なポイントがあれば教えてください。
会食当日は、まず15分前にはお店に到着し、手土産を預けたり予算上限を再確認したりしておくとスマートです。会話においては、ゲストの趣味や興味、経歴などから共通点を探し、親近感を持ってもらうことが大切です。事前にゲストとホストのプロフィールシートを共有するのも一案で、話が弾むきっかけになるでしょう。相手との共通の話題を見つけることで、自然な交流が生まれます。
幹事として会食準備に追われる中で、ゲストへの「おもてなし」の気持ちを具体的に形にするための工夫はありますか?細かい配慮で差をつけたいです。
ゲストへのきめ細やかな配慮として、アレルギーや苦手な食べ物の確認はもちろん、足が不自由な方がいる場合は座敷席を避けるなど、物理的な負担にも気を配ることが重要です。また、手土産の有無や、もしお渡しするならどのタイミングで渡すかをお店と事前に相談しておくのも良いでしょう。こうした一つ一つの心遣いが、ゲストにとって心地よい会食体験につながります。
会食を成功させることは、自分のキャリアにどう影響するのでしょうか?忙しい中で幹事を引き受けるモチベーションを知りたいです。
会食の幹事を経験することは、単なる業務を超え、ご自身のキャリア形成に大きく寄与します。会食を通じてゲストとの絆が深まり、新たなビジネスチャンスや転職といったステップアップのきっかけになることもあります。これは、会食が「やりたいことへの通行手形」となり、人との縁をつむぐ重要な機会となるからです。積極的に取り組むことで、自己成長へとつながっていくでしょう。






