お肉のプロ・片平梨絵さんが教える!和牛と国産牛の違いを知って「もっとおいしく、幸せ焼肉」

お肉のプロ・片平梨絵さんが教える 和牛と国産牛の違いを知って もっと、おいしく&しあわせ焼肉!

大切な人との記念日にも、自分へのご褒美にも。ちょっと贅沢に食事を楽しむなら、甘くて香ばしい香りが漂う、幸福&口福度の高い焼肉がぴったり。そして、おいしい焼肉を語るのに外せないのが、「和牛」と「国産牛」のこと。今回は、日本でも珍しい食肉コーディネーターの片平梨絵さんが、知っておきたいお肉の知識やトレンドをナビゲート。幸せ気分がアップする焼肉の世界へようこそ!

更新日:2020/08/18

片平梨絵(かたひら・りえ)

PROFILE

食肉コーディネーター。WEBメディア「Meat UP!」主宰。
東京農業大学畜産学科卒業後、肉牛専門誌や食肉業界紙の記者として食肉の生産農家や食肉処理施設、流通卸、スーパー、レストランなどへ取材&執筆を行う。現在は、販売促進やメニュー開発のほか、みずから考案したブランド牛・美笑牛のプロデュースにも携わる。

外国生まれでも「国産」!?「和牛」と「国産牛」の違いとは?

国産牛・ホルスタインの雌(写真)に、黒毛和牛を掛け合わせた「交雑種」も根強い人気がある

食卓ではおなじみ。日本の胃袋を満たす「国産牛」

国産牛と和牛。どちらもよく目にするけれど、食べる側からしたら明確な違いが曖昧なんていうことも・・・。なかでも、国内で流通する牛肉の3割以上を誇り、食卓にもよく並ぶ国産牛。実は、国産と謳っているものの、海外生まれの牛肉も当てはまることがあるのだそう。

「海外で生まれたとしても、日本で飼育された期間の方が長い牛は国産牛と呼ばれます。どこで生まれ、どんな品種かどうかは関係ないんですよ」

外国の品種でも、国外で育った牛でも、日本にいた期間の方が長ければ「国産牛」と呼ばれるというわけ。肉牛には肉専用種やホルスタイン種、外国種など品種がさまざまあるけれど、この条件さえ満たしていればOKなのだとか。

焼肉店で出会える「和牛」の主流を占めるのが、この「黒毛和種」

細やかな霜降り、独特の甘い香り・・・「和牛」とはこの4品種

国産牛のなかでも、黒毛和種(くろげわしゅ)、褐毛和種(あかげわしゅ)、無角和種(むかくわしゅ)、日本短角種(にほんたんかくしゅ)の食肉専用種4品種を、和牛と呼ぶことができる。また、掛け合わせた和牛間交雑種を含めることもある。

「近頃は日本短角種も人気ですが、和牛の98%は黒毛和牛。だから焼肉屋さんで和牛といったら、ほぼ黒毛和種のことだと思ってOKです。細やかな霜降りが特徴で、独特の甘い香りと口に入れた瞬間に脂が滑らかに溶けるのが特徴です」

そしてここ最近注目を集めるのが「交雑種」。これは、牛乳を生産するホルスタイン種に黒毛和牛を交配させた品種のこと。

「F1ともいわれるハイブリッド種を差し、黒毛和種ほどではないけれど、程よい霜降りが入っていておいしく食べられますよ。黒毛和種と比べて価格帯もリーズナブルだし、脂が少し苦手という人にはこちらもおすすめです」

「A5」は価格的には最高級。でも、格付けだけがすべてではない、と片平さん

正しくは「最高級+α」の指標。「A5ランク」の本当の意味

A5ランクと聞くと、おいしい&最高級というイメージをつい抱くもの。とろける・霜降りという言葉が先行しがちだけど、その真相を確かめたいところ。片平さんによると、“A”や“5”にはそれぞれ規定があるのだそう。

「Aとは歩留等級のことで、牛から骨や皮、内臓を取った枝肉、つまりお肉屋さんが売るための肉がどのくらいあるかどうかを判定する指標のこと。A、B、Cの順に格付けされますが、実際には味にはあまり関係ないんですよ」

一方の“5”という数字は、肉質等級といって肉質を格付けするため、霜降りの度合いや肉の色や光沢で判断される数値のこと。要するに、A5の肉は歩留がよく、霜降りもたくさん入っているという評価に。

「価格的には最高級で間違いありません。だけど格付けに関わらず、霜降りが適度に入っていたり、食感が良かったりと、ほかにもおいしいお肉はたくさんあります。ぜひ自分の好みに合ったお肉を見つけてみてください」

おすすめのオーダーの順番、焼き方、食べ方は?

土古里 上野バンブーガーデン店
片平さんが時折訪れる「土古里 上野バンブーガーデン店」にて

週に2、3度は焼肉を食べるという肉好きの片平さん。おすすめのオーダーの順番は、刺もの系→タン→脂の多い部位→赤身。

「私はタレ好きなので1品目からタレ焼肉で行きたいけれど、一般的なおすすめはこれ。お肉は常温に戻してから焼いた方が確実においしいので、刺ものや薄切りのタン塩から食べ始めると、脂が多い部位や赤身が焼肉に最適な温度に。そこでリブロース、サーロイン、ザブトンなど脂の多い部位でお肉の濃厚な旨みと甘みをガツンと味わい、カメノコやシンシンなどモモ系の赤身肉をいただきさっぱり気分でフィニッシュ。網がタレで焦げたり汚れたりするのを防ぐため、先に塩系を頼むという方も多いですが、最近は頼めばすぐに網交換してくれるので大丈夫。もちろん最後に〆ものにするのも良し、好みの部位や味付けから食べ始めても良し、自由に楽しんで」

そして気になる焼き加減。片平さんは「強火派」を譲れないのだとか。「そこは攻めていきたくて。弱火に逃げたくないというか。温度の高い網の中心でお肉を焼くと、お肉のアミノ酸とタレの糖分が結びつくメイラード反応が起こって、あの甘くて香ばしい香りが充満します。そんな幸せを目一杯感じながら、焼肉を思い切り楽しみたいので」

筋繊維が詰まった噛みごたえのある赤身系は、薄切りを片面焼きにするのが正解だそう。「赤身は筋肉を動かす部位だから、味自体が濃厚でおいしい。なので、火の通しすぎにご注意を。片面焼きにして、赤身本来の味わいとやわらかさを堪能できますよ」

また脂の多い部位こそ、甘めのタレで味わってほしいとも。「もし卵を追加オーダーできる場合は、溶き卵と一緒に焼きしゃぶのようにしていただくのがおすすめ。肉とタレの甘みがより感じられるし、脂がまろやかに!」

サシの入った部位は塩も良いけれど、こってりした脂が引き立ってしまう場合も・・・。まずは塩で素材そのものを味わい、タレに味変しても良いそう。

今年のトレンドは、見つけたら即予約!の「焼肉懐石」

東銀座の焼肉店「焼肉 強小亭 銀座」は、すべてスタッフが焼いて提供するスタイル。全国和牛能力共進会の肉質部門で日本一に輝いたブランド和牛・大山黒牛のみを贅沢に使用している。

ひとえに焼肉といっても、希少部位の食べ比べや、赤身肉、熟成肉、タレ焼肉などその進化と人気は止まらない。そんな中、2020年のトレンドは、懐石スタイルの焼肉だそう。

「数年前から増えつつあるのは、お店の人が焼いたお肉を提供する焼肉店。肉の厚さやカット、味付けによって最適の焼き加減で食べさせてもらえるのがメリット。脂の多い部位や赤身の部位、それぞれの特徴に合わせて少しずつ、お店独自に“味変”をしながら提供するお店に注目が集まっているのだと思います」

みんなで網をつつく大衆的なイメージとは一変、このスタイルの焼肉ならば、コロナ禍の状況でも外食に出向く安心材料にもなり得そう。さらに、「よりカジュアルな懐石スタイルの焼肉店が、台頭していく気がします」と話すように、気軽に入れるお店も今後は増えていきそう。

「一般的な焼肉店や高級店の主力メニューは和牛や国産牛だけど、タンやホルモン系は輸入品ということも。とくにタンは一頭から取れる量が少ないため、輸入に頼ることが多いんです。輸入のお肉もおいしいお店は沢山あります。国産牛や和牛を食べられるお店かどうか、事前にチェックしてみるのもいいですね」

最後に、「いただいた命を余すことなくおいしくいただく。その意味でも、焼肉はお肉から内臓肉(ホルモン)に至るまで、あらゆる部位をおいしくいただける素晴らしい料理だと思います」と片平さん。お話の通り、愛情を込めて肉牛を育てる生産者の思いを受け取って食事を楽しめば、気持ちも未来も明るくなるかも!

片平梨絵さん行きつけの焼肉店・3店舗はこちら!

土古里 上野バンブーガーデン店

土古里 上野バンブーガーデン店

上野駅の目の前、総席数250席、5種類の席タイプが同居する広々空間で、上質な焼肉が楽しめる。A4ランク以上の雌牛のみを厳選した山形牛は、一頭買いだからこそ提供できる希少部位や、安心・安全にこだわった生ユッケなど魅力がいっぱい。「さまざまな部位を楽しめる山形牛コースがおすすめです」(片平さん)

乙ちゃん

焼肉 乙ちゃん 目黒不動前店

創業43年の食肉卸問屋「乙川畜産食品株式会社」直営の人気焼肉店。目利きのプロが毎日市場に出向き、厳選した30頭を自社トラックで直配送し、圧倒的なコストパフォーマンスの良さとおいしさを実現している。「定番のカルビやロース、希少部位はもちろん、ホルモンも鮮度抜群でおいしい。さすが卸問屋直営店です!」(片平さん)

En Terrasse

【番外編】En Terrasse

四谷駅近く、トリコロールの回転扉の先には、フランスを感じさせる女子好みの空間が。星付きレストランでも腕を磨いたシェフ自らが足を運び、選び抜いた食材でつくる料理は、フォトジェニックで美味。「ランチでは、私がプロデュースした”美笑牛”100%のハンバーグを味わえます。赤身の味わい深さ、上品な脂の甘みを感じられる美笑牛をぜひ楽しんで」(片平さん)

【特集】まだある!焼肉レストラン

有名人ご用達のおいしい焼肉店や名物焼肉が食べられる行きつけ必至の名店など、編集部が本気でおすすめしたい焼肉店だけを厳選。舌の上でとろけるA5ランクの高級焼肉が楽しめるプランから、肉の旨味がジュワッと広がる極厚ステーキをリーズナブルにいただけるコスパ抜群のプランまで揃うから、シーンにあわせてぴったりのプランをチョイスして。

こちらもチェック!夏特集2020

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年々暑さが増す、東京の夏。今年はカラダぜんぶ、五感ぜんぶで夏を感じてパワーチャージしませんか? 泳ぐ音や水音が心地よい水族館、ひんやりおいしいかき氷、知的好奇心をくすぐるアート、緑に癒されるBBQやグランピングなど、家にいるときも外にいるときも、夏を感じられる情報をお届け。そのほか、夏を心地よく過ごすための最新の美容トピックスやおうちケア情報もご紹介します。

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WRITING/MAKI FUNABASHI

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