日帰りで絶景が拝める、東京近郊の“山あるき”スポット

美しい景色に癒されながらカラダも程よく動かせるのが“山あるき”の魅力。
そこで、山登りの先輩が「頂上からの景色が最高に美しい」とおすすめする山を紹介。
都心近郊の上に、初心者でも楽しく登れる山だから友達や彼を誘って出かけてみて。
【東京都】
地球の鼓動に出会える
大島 三原山(みはらやま)
数万年から噴火を繰り返している三原山は、伊豆大島のシンボル。「噴火が起こればあたりは一面焼け野原になり、そのたびに何度でもよみがえります。三原山を歩いていると、島の噴火の歴史や、焼け野原から自然が再生していく過程が分かるんです」とネイチャーガイドの西谷香奈さん。初めて歩くなら火口をぐるりと一周する「お鉢めぐりルート」がおすすめ。山頂口展望台から見えるカルデラは、数回に渡る大きな噴火によって形成されたもの。いつかまた、噴火によって島は形を変え、焼け野原に降り積もった溶岩の隙間から植物が芽を出し、森ができるだろう。こうした地球の営み”に触れられることは三原山の魅力かもしれない。

TEL.04992-2-2177(大島観光協会) 登山適期/通年 お鉢めぐりルート/山頂口展望台〜山頂遊歩道〜三原山神社〜噴火口一周〜表砂漠コース(3時間) 登山口までのアクセス/元町港または岡田港より大島バス 三原山ラインで山頂口展望台まで25分 下山口からのアクセス/大島バス 三原山ラインで山頂口展望台から元町港または岡田港まで25分 ※バス、汽船の運行状況は季節や天候によって変動あり
【神奈川県】
葉山の裏山で冒険に出会える
仙元山&二子山(せんげんやま ふたこやま)
「生活圏から離れていない裏山なのですが、パン屋さんに行くついでにちょっとした冒険が楽しめるんですよ」。とトレイルランインストラクターの永山陽子さん。実際に山に入ると、さっきまでの住宅街が一変。青々と繁る樹々にすっぽりと包まれ、意外と深い森になっている。登り始めて15分もすると標高118mの仙元山に到着。眼下には森戸海岸、江の島、相模湾、そして富士山までも一望できる人気のビュースポット。さらに林道の終点から「二子山」の表示にしたがって進むと、小さな沢沿いに出る。沢を超えて標高208mの二子山の頂上に到着するころには、ちょっとした冒険をやり遂げた興奮と満足感とでいっぱいに。

TEL.046-876-0421(葉山まちづくり協会)/046-872-8120(逗子市経済観光課) 登山適期/通年 仙元山・二子山ルート/風早橋バス停〜仙元山山頂〜大山山頂〜森戸川(ゲート)〜森戸林道〜二子山〜二子山自然遊歩道〜東逗子駅(4時間30分) 登山口までのアクセス/JR 逗子駅から風早橋まで京浜急行バスで8分
【千葉県】
山頂から東京湾を一望できる
鋸山(のこぎりやま)
アートや自然、コミュニケーションをテーマに活動する杉村侑亮さんのおすすめは鋸山。ギザギザと鋸の歯のような険しい稜線で、昔から東京湾に入る際の目印ともされている。江戸時代から昭和後期まで石切場として栄え、登山ルートには石切の跡、人々の生活の痕跡が残る。「地獄のぞき」、そして「地球が丸く見える展望台」へと登りきれば、一望できる東京湾や、眼下の樹々の光のきらめきが眩しく感じて。海から見上げる威容、山頂から望む海・・・海沿いならではの山歩きを1日で堪能できる。

TEL.0439-80-1291(富津市観光協会) 登山適期/通年 関東ふれあいの道コース/浜金谷駅〜観月台〜地獄のぞき(日本寺内)〜地球が丸く見える展望台〜鋸山山頂 観月台までのアクセス/浜金谷駅から約25分
【東京都、神奈川県】
はるか遠くに東京が見渡せる
陣馬山(じんばさん)
山あるき好きの会社員千葉織江さんがおすすめしてくれるのは、都心からのアクセスがよく、気持ちよく歩ける陣馬山。登山道が山の南斜面に位置するので、木漏れ日がキラキラときらめく中で山あるきが楽しめ、山頂にたどり着けばぐるり360度の大パノラマに感動もひとしお。天気がいいと西に富士山、東に都心の高層ビル群まで眺められる。茶屋が充実しているので温かい麺類、夏はかき氷まで食べられるのも嬉しい。帰りは相模湖を見ながら下山。駅がゴールだから、バスの時間を気にせず山あるきを楽しめる。

TEL.042-620-7378(八王子市役所産業振興部観光課) 登山適期/通年※降雪時を除く 藤野駅・陣馬ルート/陣馬登山口バス停〜一ノ尾根〜陣馬山山頂〜奈良子峠〜明王峠〜ショウノ塚〜与瀬神社〜相模湖駅(4時間30分) 登山口までのアクセス/JR藤野駅から陣馬登山口まで津久井神奈交バスで6分
【山梨県】
標高2000mの稜線に出会える
大菩薩嶺(だいぼさつれい)
「1年を通じて山を楽しんでいる」という山あるき上級者の池田あさこさんは、とっておきの雲海に出会える山を紹介。ピークの大菩薩嶺は標高2057mとやや高いけど、最初のやや急な坂をがんばって登れば視界が開け、お楽しみの稜線パートの始まり。雷岩から大菩薩峠にかけて緩やかな尾根道が続き、気持ちよく歩ける。迫力ある富士山をはじめ南アルプス、奥秩父の山々の展望が広がり、眼下に望む甲府盆地は箱庭のよう。激しい登りや危険な場所が少なく、登山道も手入れが行き届く。ルート上には山小屋やトイレも多い。

TEL.0553-32-2111(甲州市観光協会) 登山適期/5月上旬〜10月下旬 大菩薩峠ルート/上日川峠バス停〜福ちゃん荘〜雷岩〜大菩薩嶺〜雷岩〜妙見ノ頭〜大菩薩峠〜富士見山荘〜福ちゃん荘〜上日川峠(4時間) 登山口までのアクセス/JR甲斐大和駅から上日川峠まで栄和交通バスで41分(4月末〜12月上旬の土・日・祝のみ運行、一部平日も運行)
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- 撮影/菊池良助、かくたみほ、米山典子 取材・文/岡田カーヤ、河西みのり